トップインタビュー~2021年11月期の業績と今後の成長戦略~

新たな成長シナリオのスタート。
お客様のニーズに応えながら
次世代技術の研究開発を進める。
代表取締役 執行役員 社長 武川 義浩
ソリューション、半導体、先進技術ソリューション。3つのカテゴリーの2021年11月期の業績と今後の成長戦略について、武川義浩社長に聞きました。
Q12021年11月期の振り返りをお願いします。

売上高は修正予想よりも上振れで着地。
上場後2回目の決算を、前回以上に胸を張って迎えることができました。

2021年11月期の通期業績は、10月に上方修正した予想よりもさらに上振れの売上高27億32百万円(前期比20.5%増)、営業利益は4億12百万円(前期比35.6%増)。3つのカテゴリーすべてが好調に推移したことにより、上場後2回目の決算を、前回以上に胸を張って迎えることができました。
具体的には、業務アプリケーションの開発およびシステムの運用・保守を軸とするソリューションカテゴリーでは、利益率の高い受託開発案件の受注が堅調に推移。大型のシステム開発案件の受注もあり、大幅な増収となりました。半導体(NAND Flash メモリ)工場のITインフラ構築運用・保守、ヘルプデスク業務が主体の半導体カテゴリーでは、主要得意先からの継続受注により安定的に収益を確保しました。 そして人工知能(AI)関連製品の研究開発支援をおこなう先進技術ソリューションカテゴリーでは、2020年11月期よりスタートした日本電気株式会社との取引が拡大。人的ネットワークが広がるに連れ、ディープラーニング技術に関する業務や論文調査など、AI関連業務の依頼が増えてきました。
毎年10%程度の増員を計画しており、今回もすべてのカテゴリーにおいて、エンジニアの採用が順調に進んだことも好調の大きな要因となりました。

2021年11月期の業績
売上高 2,832百万円
前期比20.5%UP↑
営業利益 412百万円
前期比35.6%UP↑
当期純利益 294百万円
前期比24.7%UP↑
決算説明動画はこちら
Q22022年11月期の重点施策と見通しについてお聞かせください。

エレクトロニクス業界トップ企業の要望に応えながら
先進技術関連サービスの認知度をさらに高めていく。

2022年11月期の通期業績予想は、売上高31億円(前期比13.4%増)、営業利益は5億50百万円(前期比33.2%増)、当期純利益は3億91百万円(前期比32.7%増)に設定しました。東証マザーズへの上場と先行き不透明な状況が続く国内経済を鑑みて、過去2期の予算編成は慎重におこないましたが、今期は新たな成長シナリオのスタート。強気な目標設定によって全社的なモチベーションを高いレベルで維持します。
裏付けは、日本を代表するエレクトロニクス企業からの需要拡大です。ソリューションカテゴリーでは、前期に受注した生産管理システム開発の大型案件が本格的にスタートします。また、半導体カテゴリーでは、運用・保守およびヘルプデスク業務のさらなる需要拡大を見込んでいます。半導体市場では新たな動きもありますが、今期は主要得意先の期待に全力で応え、経営基盤をさらに強化します。これを最重要施策として進めながら、新たな市場、顧客のリサーチなど、今後の成長に向けた準備を進めてまいります。
そして先進技術ソリューションカテゴリーでは、AIアルゴリズム研究開発支援、技術論文調査をはじめとするAIアルゴリズム研究開発支援など新サービスの認知度が高まり、新規顧客からの引き合いも増加しておりますので、さらなる収益拡大をはかります。

Q3今後の成長戦略についてお聞かせください。

顧客ファースト戦略を進め、次世代メモリに関連する研究開発にも注力。
鍵となる人材の確保のため、他社とのアライアンスも検討。

ソリューションカテゴリーは、様々なお客様のシステム開発ニーズにお応えし、開発バリューチェーン全体を網羅し、お客様の要求する技術を確実に提供します。半導体カテゴリーは、NAND Flashメモリ工場の計画的な増設にお応えします。先進技術ソリューションカテゴリーは、AIを開発中のお客様へのアルゴリズム開発支援拡大を進めます。こうした顧客ファースト戦略をさらに推進することによって収益基盤の安定化と拡大をはかります。
そして、オンリーワン・テクノロジーの獲得を目指し、東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターとの共同研究開発に注力します。現在の最重要テーマは、次世代メモリ「MRAM」(磁気記録式メモリ)の中核であるスピントロニクス技術を用いたAIプロセッサーに関するソフトウエアの研究開発です。「MRAM」の消費電力は、現在のメモリの約100分の1。量産が実現すればあらゆることが変わり、当社のビジネスモデルにも様々な可能性が生まれます。
いずれにせよ、成長戦略の鍵は優秀な人材の確保です。待遇面の向上・福利厚生面の拡充を進めていますが、特にAI分野におけるエンジニアの獲得競争は激化していますので、他社とのアライアンスなど様々な形で検討を進め、他社にない人材面でのアドバンテージを目論んでいます。

Q4最後に株主の皆様へメッセージをお願いします。

すべてのステークホルダーの皆様との信頼関係を大切に
100年先も社会に必要とされる企業を目指して努力いたします。

我々はさらなる高みを目指し、その第一歩として東証マザーズ市場に上場しました。上場によってステークホルダーの皆様からの信頼をいただき、資金調達の多様化をはかること。そして、成長が見込まれる分野における新しい技術取得への投資を通じて企業価値の向上を実現することが、株主様への利益還元につながると考えています。そのため、研究開発投資に必要な内部留保資金を充実させることを優先し、当面は配当性向10%程度を目安に安定的な配当を実施したいと考えています。さらに、今回は上限を2億50百万円とする自己株式の取得枠を設定し、より大きな株主還元を行うこととしました。
株主様をはじめとするすべてのステークホルダーとの信頼関係を大切に、100年先も社会に必要とされる企業を目指して努力してまいります。これからのティアンドエスに大いに期待してください。

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T&Sの歩みとこれから

2016年、日本のシステム開発の先進性を追求すべく、それぞれが高いノウハウを持つシステム会社2社「株式会社テックジャパン」「株式会社シナノシステムエンジニアリング」の新設合併により誕生したティアンドエス株式会社。
先端技術の領域への進出もはかりながら、事業拡大を急ぎ、設立4年で、東証マザーズへ上場。
期待される新規分野、最先端テクノロジー分野での飛躍をはかり、これまで以上のスピードをもって、企業価値向上に取り組みます。

T&Sの歩みとこれから T&Sの歩みとこれから

サステナブルな社会の実現に向けて

当社は、「お客様に安心と満足そして豊かさを提供すると共に、社員を大切にし、株主様に貢献」することを経営理念としています。そして、その実現のための事業計画が、社会全体のサステナビリティにとっても重要であると考えています。
そのため、全社戦略の3つの柱をSDGsへの貢献と関連付け、社会からの信頼を通じた企業価値向上につなげてまいります。

STRATEGY 01
顧客ファーストの推進
対応SDGs:
8 働きがいも経済成長も
12 つくる責任 つかう責任

DX推進をはじめとするお客様のニーズに最大限お応えし、これからの経済成長に貢献するとともに、システムの開発責任をしっかりと果たしてまいります。

STRATEGY 02
スピントロニクス技術を
用いたAIプロセッサに関する
Only One Technologyの獲得
対応SDGs:
7エネルギーをみんなに そしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
12 つくる責任 つかう責任

劇的な省電力化を実現するスピントロニクス技術搭載のAIプロセッサ。省エネルギーの推進による新しい産業技術基盤の確立にしっかりと責任を果たしてまいります。

STRATEGY 02
スピントロニクス技術を
用いたAIプロセッサに関する
Only One Technologyの獲得
STRATEGY 03
経営基盤の強化
対応SDGs:
5 ジェンダー平等を実現しよう
8 働きがいも経済成長も
16 平和と公平をすべての人に

優秀な人材の活用は、すべての人たちの働く機会に影響を与えます。リスク管理とコンプライアンス体制の強化を通じ、多様で公正な社会への責任を果たしてまいります。